1 起業するなら副業から
「いつか会社を辞めて一人で仕事したい。」って思っている人、結構多いと思います。
(というか、先日友人が言っていたのだ。)
でも、「いつか仕事を辞めて」なんて言ってないで、会社員(本業)しながら自分の仕事(副業)を作ったほうがいい。
その方が失敗の確立が低いから。
自分の仕事(副業)がある程度軌道に乗ってから、会社を辞めればいい。
それじゃ時間がないんだよって声も聞こえてくるような気がするけど、そこは休日とか自分の時間を削るしかないよね。
どうせ起業したら、軌道に乗るまで休日なんかない。
自分の時間ができるのは、仕事が軌道にのってから。そんなものですね。
2 感情の安定とネットによる環境変化
本業を続けながらは、確かに時間がないし、集中できないと思うかもしれないけど、その代わり「毎月お金(給料)が入ってくる」っていうのは、心の安定にはとても大事だし、じっくりと事業内容を練ることができる。
会社を辞めてから事業内容を練るのって、結構焦ります。
それに昔と違って今はネット環境がそろっているので、日中に活動しなければ出来ないことも少なくなったし。
自分の体力と気力があれば(←これがあれば、ですが(^^;))、深夜でも仕事できる環境になっている。
自分の体験でいうと、やっぱり勤務先をやめて独立した時は厳しかったです。
お金が入ってこず、出ていくだけってなると、「出ていく」って方にフォーカスしてしまうんですね。
「出ていく」って思うと、どんどん出ていく。・・・精神衛生上、非常によろしくないです。
今思うと、もう少し自分のお客様をつくってから独立すれば良かったかな、と。
3 「ORIGINALS誰もが『人と違うこと』をできる時代」アダム・グラント著から
同列ではないですが、アメリカでも「ファスト・カンパニー」誌で「もっとも革新的な企業」の上位にあげられた企業の創業者の大部分が、起業後も本業を続けていたそうです。
『フィル・ナイト(ナイキ創業者)は1964年、車のトランクにランニングシューズを乗せて販売を はじめたが、1969年までは会計士としての仕事を続けていた。
スティーブ・ウォズニアックらは初代アップルコンピュータを発明したのち、1976年にスティーブ・ジョブズと共同でアップルコンピュータを設立したが、1977年までヒューレット・パッカードでエンジニアを続けていた。…』(ORIGINALS アダム・グラント著)P42
『経営管理学研究者のジョセフ・ラフィーとジー・フェンは、ある興味深い研究を行っている。
「起業をする際には、本業を続けるのとやめるのではどちらがいいと思うか?」という単純な質問をするのだ。
調査をまとめると、起業に専念することを選んだ人は、自信に満ちたリスク・テイカーだった。
一方、本業を続けたまま起業した人は、リスクをなんとか避けたがっており、自信の程度も低かった。
たいていの人は、リスク・テイカーのほうが明らかに有利だと予測するだろう。だが研究の結果はその逆だった。
本業を続けた起業家は、やめた起業家よりも失敗の確立が33パーセント低かったのだ。
リスクを嫌い、アイデアの実現可能性に疑問をもっている人が起こした会社のほうが、存続する可能性が高い。』(ORIGINALS アダム・グラント著)P41
ナイキ創業者って会計士さんだったんだ
『ある分野において安心感があると、別の分野でオリジナリティを発揮する自由が生まれるというメリットを見逃しているのだ。』
(ORIGINALS アダム・グラント著)P45
お客様を見ていても、「この人はすごい起業家だな」と思う方が、
「自分は、本当はすごく慎重なんだ」と言っていて、「へぇー」と思ったりします。
成功を収める人は、ある部分で大きなリスクを冒しつつ、別の部分では慎重になることで感情的にも社会的にもバランスをとっているのですね。
そんなわけで、「いつか会社を辞めて」なんて言ってないで、
「今、会社を続けながらさっさと副業したらどうでしょう?」ということです。