「トランプ思考」知られざる逆転の成功哲学 ドナルド・トランプ著 PHP研究所
本書はトランプ氏が自身のウェブサイトのために書いた記事を中心にまとめられたエッセイ集です。
トランプ氏のビジネスについての物の考え方、取り組む姿勢、ビジネス哲学の詰まった本で、メディアから伝わる派手なパフォーマンスだけを見ていてはわからない、内面の深沈厚重さ、厳しくも優しい一面が見えます。
個人的に一番驚いたのは、トランプ氏が自分のエネルギーやバイオリズムについて研究し、維持する努力をしているということでした。
何事にもブルドーザーの如く前進するイメージだったので、そんなに慎重に調整した上での演出された姿だったことにビックリしました。
高次元の自己にチャンスを与えれば、人生は最高のアドベンチャーになる。私たちには誰でも、自分にしかできない何かがある。
それが何かを見つけ出し、情熱を傾けてそれに向かって努力するのが私たちの務めだ。だから、無為に生きるな。
飛び込んでチャンスをつかめ。P53
お恥ずかしながら、トランプさんから高次元の自己って
言葉が出るとは思ってなかったです。
勢いにはいろいろな形があるが、一つ共通しているのはエネルギーである、という点だ。類語には力、強さ、弾み、駆動力などがあり、いずれも何かを達成するために良いものばかりである。誰でもバイオリズムについて聞いたことがあるだろう。
人間には調子の良い日と悪い日がある。しかし、自分のチャートを作ってそれを維持するために努力するのが私流のやり方だ。
私のバイオリズムは常にフルスピードで前進している。そのレベルを保てるだけのスタミナをつけた。
成果はもう明らかだ。P102
今の状況を改善しようとしたあげく、どう考えても先がないとなれば、そのときこそは見切りをつける潮時である。
単に相性が悪いだけなのかもしれない。人間関係と同じだー紙の上では大事な条件がすべて申し分なく揃って見えても、現実にはうまくいかずただ相性が合わなかったとしかいいようがない場合がある。仕事にもそういうことがある。P135
自分は何をしてもいいが相手には許さない、あるいは相手は何をしてもいいが自分はだめ、というダブルスタンダードが私は好きではない。相手が私にどう接するかが、そのまま私の相手に対する接し方になることもある。
これを昔からいう「目には目を」方式と呼ぶ人もいるが、私はフェアプレーと呼んでいる。P171
これはとってもトランプさんっぽい。
金持ちになる方法は必ずしも単純ではない。まずは自分のしていることを愛する大切さを、私はこれまでも協調してきたが、今後もその思いは変わらない。目標が単に金を稼ぐことでは、あなた自身がもったいない。また、そのお金を稼ごうとしている間にエネルギー切れになるときもあるかもしれない。情熱は、いずれやってくる厳しい時期を乗り切るための強力なエネルギー源である。だから、金持ちになる下地づくりとして最初のステップは、心から愛せる何かを見つけることである。P222
私が本質的な価値観の話をするのは、ビジネスマンとして、これが毎日のビジネスに誠実さを、この世の価値観では測れない何かさえももたらしてくれるからである。この世の多くがお金で動くのはやむをえないことだが、すべてがお金で換算できるわけではない。
グレーな領域を探そう。それはあなたのビジネスセンスだけでなく、人生をも高めてくれる。
メディアからは決して伝わって来ないトランプ氏の哲学者的な一面が伝わります。
ビジネスマンでなくてもお勧めです。
もう出版してないのかな…いい本なのに。
また大統領選に出られたら再販されるかな。