1万社を復活させた経営の神髄
一倉定の環境整備 舛田光洋 著 一倉健二 協力
伝説の「社長のための経営コンサルタント」一倉定先生の環境整備に特化した解説本です。
一倉先生の分厚い社長学シリーズの中の一倉式環境整備について、「そうじ力」の舛田光洋さんが解説しています。
環境整備は、一倉先生の社長学、経営哲学の基盤をなすものですが、どうしてもマネジメントや経営計画に比べて軽く見られがちです。
それを断捨離・掃除ブームの先駆けとなった「そうじ力」の舛田光洋さんが、リバイバルされています。
一倉先生の本には書かれていなかった先生のエピソードなども入っていて、あらためて「えっそうだったの?!」と思ったりしました。
一倉式環境整備とは、「規律、清潔、整頓、安全、衛生」です。
簡単に言えば、いらないものを捨てる、埃も汚れも取り除き、物の置き方と置き場所を決めるということです。
心はどうであれ、環境整備を行ったところから変化し始めます。
使わないものを捨てる、汚れを取る、残ったものを整える、これまで自ら作り出した環境を、自分の力で変える行為です。
環境整備は、心がついてこなくても、行動から入っていくことができます。
ものを捨てる、汚れを取る、それらを繰り返すことで、心が落ち着いてきて、やがて客観的に自分を見つめることができます。
環境整備がされている空間は「集中」の力が発揮されています。
なぜ集中か。それは、いらないものが捨てられ、必要なものの置き方と置き場所が決められた空間は、達成すべき目的に対して迷わなくなるからです。
やるべきことが明確になり、目標に対して集中して取り組むことができるのです。
乱雑な部屋が持つ力とは、「分散」という名のエネルギーです。
一倉先生自身も最初は、環境整備から起こる奇跡の数々を信じられなかったそうです。ただ実際に、さまざまな業種の会社で起こる説明のつかない実例を目の当たりにして、
このオーラの力を受け入れるようになったようです。
一倉先生の社長学の中で、「オーラ」という言葉を使われていることが確かにあったけど、私はてっきり物の例えで「オーラ」と書いているのだと思っておりました。
先生が本当に「オーラ」が見えていたとは思いませんでした。
清潔とは、きれいにすることではない。
清掃することでもない。
それは、
①いらないものを捨てる ②いるものを捨てない
ということである。
整頓とは、片づけることではない。片づけたら、仕事にならないからである。
この「いらないものを捨てる」が難しいんですよね…。
これがないとただの清掃になってしまうんですけど。ただの清掃になってます。
それでもスッキリはするんですけど、「これじゃない…」感があります(笑)
空理空論ではない現場主義、実例の宝庫です。こちらも是非ご一読ください。