富の福音   アンドリュー・カーネギー 著

富の福音    アンドリュー・カーネギー 著

1901年に出版された鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの自伝を含めた思想書です。カーネギーホールで有名な方ですね。
100年以上前に書かれた本なのに現在の状況と同じに見えるところが、当時のカーネギーの慧眼のためなのか、世界が全く進歩していないということなのか考えてしまいました。
例えば、「貧困をなくそうという運動が、今世界中に広がっているが、平等の美名のもとに貧困を追放しようということなら、それは正直や勤勉、克己心など、人間社会の美徳を生み出す基盤を、根底から破壊することになりかねない。」
など現在と変わらないなぁ、、と。
思想的には100年前から進歩していない状況なのでしょうか?

私が正しいと信ずるところでも、それが世間一般に受け入れ難いものなら、株主総会の賛成を得ることはきわめて困難である。自分が会社を所有して経営しない限り、私の信念が正しかったことを証明することはできないのである。
私が自分自身の主人であることを目指した理由の一つは、たとえそれがどのように困難な道であっても、自分が正しいと信ずる道を事業経営の中に生かしていきたかったためだった。

平等にこだわる人たちは、誰もが貧しく、心を豊かにするものが何もない社会を理想社会のように説いているが、そういったことは本当にうらやましいことだろうか?
仮にそのような理想社会が出現したら、富める人たちによって保持されている今日の文化はすべて失われて、富める人も貧しい人も、同じようにより不幸な生活を強要されるようになるだけではないだろうか。

カーネギーの最大の功績は、「成功のノウハウ」をナポレオン・ヒルの手に託して万人が学べるように残したこと、アメリカの繁栄の源流を創られたことですね。
このノウハウは学校で教えられることはないですが、現在では誰でも自分で学ぼうと思えば学ぶことが出来ます。カーネギーのおかげです。