決戦!株主総会
ドキュメントLIXIL死闘の8ヵ月 秋場大輔 著
「コーポレートガバナンス(企業統治)に関する本を書く」という目的で書かれた本です。
内容としては、オーナー経営者とプロ経営者の対立、戦いというものでした。コーポレートガバナンスってもう少し幅広いものだと思うのですが、ガバナンスの最大の障害がオーナー経営者の専横ということなのでしょう。
ガバナンス不全に陥った会社の問題点から、社内取締役、社外取締役、株主や社員、マスコミの反応、株主総会までの経緯と逆転の様子が事細かに書かれています。
コーポレートガバナンスの不全を正すって並大抵の根性で出来ることではないですね。
企業で理不尽なトップ人事が起きるのは決して珍しいことではない。クビになった張本人が反発し、それを支える会社の仲間がいて、これにメディアも加勢し、騒ぎが広がることはしばしば起きる。しかし当事者の主張がどんなに正しくても、時間が経つにつれ、支援者は正義よりも生活を優先するようになって声を上げることをやめる。メディアも次第に入ってくる情報が細り、批判を放り投げる。会社もあの手この手を使って人事の正当性を強調するうちにそれが「正史」となる。
この結果、一度決まった人事は覆ることもなく、後になっていきさつを知る人が「真実はこうだった」などと振り返ることがほとんどだ。しかし瀬戸の事実上の解任劇は「よくある話」で終わらず、ここから日本の企業社会では前例のない展開を見せていった。
P74
個人的には、株式上場するなら会社は公器となるので、オーナー経営者として振る舞うことは慎むべきだと思います。オーナーとして振る舞いたいなら上場しなければよいのです。資金調達の手段としてのみ、株式上場を考える場合も多い様ですが。
相続税を払いたくないから、本社を海外移転させるって、、、。まぁ、相続税高いですけど…。
付き合わされる社員はたまらないでしょうね。。
読み物として面白かったです。