ザイム真理教 森永卓郎
よく出版社が見つかったな、、と思うほど、財務省の本質をついている本です。
当選前は増税反対派だった政治家がどうやって増税推進派に変わってゆくのか、著者自身が大蔵省の奴隷だったという時代から解説されています。
パーキンソンの第一法則、「組織は、ひとたび成立すると、仕事の有無とは関係なく肥大化する」
第二法則「(政府というものは)お金は入っただけ、必ず使う」を思い出しました。
どうしてドンドン重税国家になってゆくのかを単純明快に書いています。財政健全化は財務省の教義だったんですね。
何も考えなかったら、洗脳されますね。
(私自身は消費税は減税すべき、というか無くすべきとは思いますが、著者の考え方と一緒ではありません。)
あとがき
本書は2022年の年末から2023年の年初にかけて一気に骨格を作り上げた。その後、できあがった原稿を大手出版社数社に持ち込んだ。ところが、軒並み出版を断られたのだ。「ここの表現がまずい」といった話ではなく、そもそもこのテーマの本を出すこと自体ができないというのだ。
岸田政権になってから、言論の自由が急速に失われてきたことは、私も肌で感じていた。P109
大蔵省(財務省)のキャリア官僚というのは、東大法学部出身が多い。出世コースに乗っている人に限れば圧倒的に東大法学部だ。法学部出身だから、あまり経済学を勉強していない。だから、財政均衡、すなわち税収の範囲内に歳出を収めるという経済学的にはありえない話を「正しい」と思い込んでしまったのだ。P26
財務官僚は「ご進講」あるいは「ご説明」と呼ぶザイム真理教の布教活動を熱心に行っている。
財務副大臣という地位になれば、財務省による布教活動は、朝から晩まで、連日行われるのだ。P34
「時の政権に、核となる政策がないと、財務省が近づいてきて、政権もどっぷりと頼ってしまう。」(安倍晋三回顧録)