決断 パナソニックとソニー、勝負の分かれ目 藤本秀文 著
企業はトップ次第
「中小企業はトップ次第だ」と以前から考えていましたが、大企業もトップ次第なんだ。。と考えさせられました。
昭和に日本経済の成長を牽引した松下電器産業(現・パナソニックホールディングス)とソニーの現在に至るまでの変遷、両社の現在の企業評価の差。
すべて企業トップの決断次第なんだなと。
「ビジョナリスト」と言われた出井伸之と「徹底した合理主義者」と評された中村邦夫、どちらの会社もその遺伝子が残って仕事をした結果、「新しい技術をもってして世の中を変えてやろう」というソニーの遺伝子と、「主戦場に占有率ナンバーワンを達成し、経営に大きく貢献すること」のみを選考基準にしたパナソニックホールディングスの遺伝子がその後の両社の結果を引き出したようです。
「パナソニックはこの30年間、『作業』に終始し、自主責任経営、すなわち『仕事』をしてこなかった」とグループ最高経営責任者(CEO)楠見雄規の2024年の年頭所感は、どこの会社でも起こり得そうなことです。
「経営状況が悪くなり、各事業が本当は競争力について抜本的な改革をやるべきところを、販売・利益の計画達成を最優先にし、目的化してしまった。あるいは、失敗を繰り返さないようにルール・規定でそれぞれの挑戦を縛っていった」
過去の成功体験通りに突き進み、プラズマテレビへの集中投資にのめり込んでしまった。
また、現状維持を好む組織文化は、スティーブ・ジョブズから会いたいと言われる程の異能の人たちを外へ出してしまう。才能ある人たちを受け入れる器がトップにあるかどうか、自分より優秀な人をトップが理解できるかどうか、難しいですね。
経営の神様の跡を継ぐのは。
会社は、商品ではなく理念にこだわり、変化する社会に合わせて会社自体を変化させていかなくては存続できないのではないかと改めて思います。
とても面白かった!